新年あけましておめでとうございます
みなさん、本年もよろしくお願い申し上げます。
この三日間、ブログで何を書こうか、ずっと悩んでいました。新聞読んで、テレビを見て、みなさんに何をお伝えすることがいいのだろうか、考えていました。
結論から申しますと、「本音に気づき、本音を話せる場が、日本人には必要だ」ということです。
昨年の世相を表す漢字に「偽」が選ばれました。いろんな業界に偽装が蔓延したからでしょう。でも、一方で、マジックブームがありました。つまり、だまされてもいい、むしろだまされるのを楽しいと感じる世界もあるということです。
紅白歌合戦の一番目は、アイドルとベテラン演歌歌手でした。数えることもできないほどの人数のアイドルの名前をひとりひとり言える若い人がいるのだろうと思うのと同時に、演歌歌手の応援にかけつけた二人のタレントが「私たちはピンクよ」と言うのを見て、そして、亡くなった歌手がビデオで歌うのを見て、「紅白」の意味があるのか、そして、生番組の価値はあるのかと思いました。
箱根駅伝の往路で、おしくもゴールできなかった選手を見て、がんばれと応援した人も多かったでしょう。でも、あきらかに脱水症状からの痙攣(けいれん)を起こしているのを見て、「もうだれか止めてくれ」と叫んでいる家族や親しい人がいたかもしれません。
淡路島で品種改良されたタマネギが、なぜか、中国から輸入されていることがDNA鑑定でわかったそうです。何年も何回も失敗を繰り返しながらやっとできた新種のタマネギの種をだれかがことわりなく中国に持ち込んだのでしょう。
韓国でボクシングの試合後に脳死状態になった有名チャンピオンの五つの臓器が、臓器移植のために、必要としている患者さんに提供されたそうです。本人が生前に臓器提供者の登録をしていたからできたことですが、残された家族は、そこまでしなくてもと思ったかもしれません。
何を言いたいのかと申しますと、同じことがら、同じ現象、そして同じ事実について、ひとによって受け止め方が違うので、自分が本当に感じていることを簡単に人には言えないし、そっと心のうちに秘めているほうがいいこともあるので、それを共有できる人は世の中で探しても簡単に見つからないということです。
人の話を聞いて、20年になりますが、ほんとうの話を聞いていると思っていたら、嘘だったということもありますし、大事なことを3年も言わなかった人もいました。その理由をたずねると、ほんとうのことを言うことで自分がどうなるか怖かったからとか、言おう言おうと思って3年がたってしまいましたとか、思っていること自体はずかしいことだったとか、それなりに、ほんとうのことを言わない意味が、その人にあることがわかります。
つまり、日本人は、自分の本音に気づくこと自体が難しい上に、それを心から話せる相手がいないということです。
おそらく、親の世間体や周りから浮くことの恐怖や恥の概念が、日本人には大きく影響しているからだと思います。
昨年は、ケータイの問題をたくさん相談されました。そして年末には、私のコラムが「ケータイ家庭の医学」に掲載されるようになりました。一方で、電車に乗ると、座っている人がみなケータイを見ている光景に疑問を感じている自分がいます。
ケータイやメディアには、本音なんてどこにもないんだよと声をかけてあげたくなります。
ぜひ、みなさん、ご自分の本音を大切にする一年になさってください。
平成20年1月4日 青山学芸心理 高山智







■コメント
明けましておめでとうございます
20年間、人の話を聴き続けていらした高山先生ご自身が 人には言えないけれど本当に感じていること、そしてそっと心のうちに秘めていること、それらを心から話せる方と共有できる時間を持つことができますよう 本年も願って止みません。
posted by born free, born significant | 2008年01月04日 10:16
born free, born significantさん、いつもご心配いただきありがとうございます。しかも、今回もいいハンドルネームですね。
この仕事は、熱心に話をきくひとほど続けられなくなるようです。それは、聞く作業に没頭して自分の気持ちを忘れて、影響をうけすぎたり、話を聞きすぎたりするからです。
そこで、教育分析やスーパーバイズを受ける必要があります。私も、自分の話の聞き方をスーパーバイズ受けているので、私の気持ちを共有してもらう場面は十分にあります。そして、なによりも、私がこの長い年月この仕事をし続けてこられたのは、ひとりで考えないようにしていることによります。
簡単にいうと、分からないことはひとに聞けばよい。しかもその道の専門家がたくさんいますので、そういうひとは、上手に教えてくれます。
勉強ができなくても、あるいは学校の成績がよくなくても、教わり上手でいれば、たいていのことは困りません。
よく、そんなに話を聞いてばかりいて大丈夫ですか?と尋ねられますが、大丈夫でないから、スーパーバイズを受けたり、ひとに相談したりしているというわけです。
posted by 63 | 2008年01月07日 08:31