安談とは、「自分の気持ちをよく知ることで、他人の気持ちも理解できるようになり、その結果、あたたかい人々の中で、楽に生活できるようになる」ことを目標とする対話のあり方で、青山学芸心理の登録商標です。
そして、安談は、次の5つの要素が組み合わされて進められています。
安談において、当面の問題を解決するために、どういう方法や手段があるかを検討する。安談手から手段や方法の呈示はあるが、その方法や手段の選択はシグニフィカント(来談者)にまかされる。
(例)
・子供の暴力がひどくなっているのですが、どうすればいいでしょうか?
・地域の小学校にいい噂を聞かないので私立小学校を受験させたいのですが、うちの子は受験に向くでしょうか?
安談において、問題を解決するために、対面安談以外の具体的な行動が必要と判断されたとき、シグニフィカント(来談者)の要望に従って、安談手が行動する。
(例)
・家から出られない不登校児のために、家庭訪問して安談を行う。
・子どもと学校の先生との面談に立ち会う。
・学習補助する安談的家庭教師(レジデント)を派遣する。
安談において、問題を解決するために、対面安談以外の具体的な行動が必要と判断されたとき、対象となる人物の要望があるかないかにかかわらず、シグニフィカントの問題を将来的に改善するという前提で、提案された内容をシグニフィカントと協議の上、安談手が行動する。
(例)
・会おうとしないひきこもりの子どものために、家庭訪問する。
・子どもには内緒で、仲間になれる友だちを派遣する。
・相手の激しい感情に対処できないときに、かわりに気持ちを聞く。
安談において、シグニフィカントが信頼とは何かを理解する必要があるとき、対面安談およびそれ以外の場面で、信頼を形成する際の具体的な行動を安談手が示すことで、シグニフィカントが信頼とは何かを学習し、シグニフィカント自身に信頼感が形成できるように援助する。
*...造語:「信頼してもらうこと」(Entrusting)が目的ではなく、シグニフィカントの内面に信頼を作ることを目的とする
(例)
・保護者の目の前で子どもとの安談を行う。
・御用聞きをする。
・返事と挨拶を適切に行う。
根本的な問題解決を目指す。起きていることがらに対して、ものの見方や性格によって情緒が不安定になったり、心理的な要因によって適切な行動がとれなくなったりしているシグニフィカントから、安談手が十分に話を聞くことで、シグニフィカントの気持ちを整理して、どう考えれば情緒の安定がはかれて、しかも、毎日の生活が気持ち良くなるかを、安談の場で考える。
(例)
・子供が学校に行かずに、うちにこもってしまったらどうしよう?
・眠れない日が続くので、どうしたら睡眠がとれるか?
・学校でいじめがあって、いつ自分がいじめられるか不安でしょうがない。