「安談は、人を変えるためにあるのではなく、人をとりまくシステムを変えることで、その人が楽に生活できるようになる」と考えると分かりやすくなります。したがって、安談を受ける際に注意していただきたいのは、以下の7点です。
初回の安談が入るには、1ヶ月ほどお待ちいただくことがほとんどですが、紹介者がいるときは、予約が優先されます。安談を紹介する人は、安談の大切さが分かっている方ですので、紹介者を大切にするという意味で優先します。また、そんな先まで待てないと、他の相談機関に行かれた方もいますが、「待つ」間に、意外に相談内容が明らかになっていくこともありますので、予約を入れることで安心する効果を体験されるといいと思います。
安談がどんなものかが分からなくて不安になると思います。はじめて安談に訪れても、こんなものかと思うこともあります。大事なことは、相談に来られるときの覚悟です。できるだけいろんなことを話してみよう、関係ないことかもしれないけど、まずは話を聞いてもらおう、そして、安談に行くという勇気を持つこと自体に意味があると考えるといいでしょう。
安談において、これといったことが決まらなくても、あるいは、かえって迷うことになったとしても、ましてや安談そのものに疑問を感じたとしても、それもすべて安談の対象です。おかしいなとか、どうすればいいのかと思うたびに、そこに、考えるヒントがあることが分かってきます。できるだけ、思ったことを素直にお話になるといいと思います。
自分は悪くないのに、どうして安談を受けなければならないのかという不満を持つ人もいるでしょう。安談において、誰が悪いだの誰が犯人などという話にはならないので、まずは、自分の気持ちを話してみましょう。そうすれば、安心して話すことを学ぶことができるので、今まで、気がついていなかったようなことがいろいろ頭に思い浮かぶようになります。それをメモして、つぎの安談に備えると、安談の使い方が上手になります。
安談で話したことを忘れてしまうことに気がつくかもしれません。そういうときは、安談手に、まとめを書いてもらったり、自分でノートを持ってメモしたりするといいでしょう。安談が進むにつれて、はじめのころ、自分が何を話そうとしたのかがわかってくるでしょう。また、話しながら、思わず涙がこらえきれなくなるときもあります。ハンカチではなく、タオルをお持ちになってください。そういうことが自由に行なわれているのが安談の世界です。
あせっていることや気になっていることが、安談を通して変化してきます。はじめに相談したことではなく、もっと別のことが問題であることが分かってくることがあります。他の家族も安談に来たほうがいいことがわかったり、安談を通して話をしたほうが気持ちが伝わりやすいことが実感として感じたりする局面が出てきます。だから、安談は継続的にしたほうがいいのです。
次の予約は、その場で入れられます。次がいつかを決めて帰るということは、次までの間に、何かを考える決意をすることでもあります。安談と安談の間に、気がつくことがとても大切なのです。安談が予約制であるのは、自分から、安談にそって、考えるようになる習慣をつける意味で大事です。次回の予約を入れておくと安心でもあります。そうやって、次第に、安談の間隔をのばしていけるようになり、そして、ほぼ終結に至るのです。